2021年夏、ファン待望の細田守監督作品【竜とそばかすの姫】が公開されました!
瞬く間に人気作品となり、多方面からさまざまな声が上がっていますね。共感と感動、絶賛する評価はもちろんのこと、話題作にはつきものである「酷評」やアンチからのブーイングもあちらこちら見かけます。
では実際はどのような評判が多いのでしょうか?実際に観に行ってきた感想と、ネットに上がる賛否を交えて検証してみました。
竜とそばかすの姫はどんな内容なの?
以下ネタバレとなりますのでご注意ください!
【竜とそばかすの姫】あらすじ
幼い頃母親を水難事故で失ってから、父親と2人で静かに暮らしていた鈴。ある日友人の誘いで仮想世界<U>で「Az」という自分の分身「ベル」を作り出した鈴は、トラウマで歌うことができなくなっていましたが、ベルは<U>では歌う事が出来たのです。
そしてその歌声は<U>に集う50億ものユーザーを魅了し、ベルは<U>の歌姫として一躍人気者に!
ベルの巨大コンサートの会場に突如現れたAz、竜と呼ばれる彼は、謎の痣を背負う傲岸不遜ながらもベルは彼の謎が気になって仕方がありません。
「あなたは誰なの?」
やがて、正義をうたうAzたちによって<U>内外から迫害を受ける竜。彼を排除しようとする動きが高まっていくが…
ベルは竜を救えるのか?
50億にものAzの中から、本当の彼を鈴は見つけ出せるのか?!
基本的には細田守監督作品のテーマである「家族」は変わりありません。しかし比較的鈴や恵の身の上に起きている家庭内の不穏さは、現代社会では他人事よりも、身近に感じる恐ろしさがありました。
【竜とそばかすの姫】の世界
ベルの公式YouTubeチャンネルには映像と音楽を楽しめるMVがあります。
作品自体は、トレーラーや楽曲PVでもよく見かけていたとおり圧倒的迫力の美しいグラフィックと、中村佳穂さん演ずる鈴の魂の震えるような美しい歌声には心打たれました!
ベルのキャラクターデザインを手がけたジン・キムはディズニー作品にも参加しており、「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」などを手掛けています。言われてみると、ベルの魅力的な目元や口元はディズニー感があります。
また見どころでもある<U>のデザインは、実際ロンドンで教鞭をとるエリック・ウォンという30代若手の建築家です。<U>の緻密なデザインは、息をのむ美しいグラフィックで縦横に広がり圧巻のスケールで描かれています。
ベルがライブコンサートで身にまとうドレスは、それぞれのデザイナーがおり、MVの花がたくさんあしらわれた真っ赤なドレスはフラワークリエイターの篠崎恵美、スワロフスキーのようなドレスファッションデザイナーの森永邦彦が手掛けています。全部で8種類登場するベルの衣装は女の子には大変人気があるようです。
竜とそばかすの姫はココがいい!
まずは好評なご意見をご紹介します。
好評コメントの多くは、映像や音楽の美しさ、主人公の成長に心を打たれた、感動したという方が多いようでした。
インターネット社会が進み、ネットリテラシーなど日々社会問題として取り上げられるようになった現在ですが、「リアルでの人のふれあいの大切さ」というメッセージ性を感じるストーリーという点に共感している方も多いようです。
竜とそばかすの姫はココがつまらない!
つづいて、酷評をご紹介します。
調べてみて感じたのは、好評意見は比較的ざっくりしているのに比べ、酷評はピンポイントでここが悪い!つまらない!といっているご意見が多いようでした。
美女と野獣に寄せすぎ
行方の分からない竜を探すベルは、長い髪を緩くひとつにくくり、身を隠すように大きなローブで体を覆います。
歌いながら竜とダンスしたり、竜のお城があったり、城に仕えてる小さなAIが何体かいたり、お城で育ててるバラがあったりと、中盤の展開ではかなり美女と野獣をモチーフとしたディテールが登場します。そもそも主人公も「ベル(belle)」ですから、そこから共通しているんですね。
深読みができていないせいかもしれませんが、ここまで寄せなくてもよかったんじゃないかな?と個人的には感じます。
ネットで話題になったあの有名人の酷評!!
実は大変な映画好きとして知られる江頭2:50、細田守監督作品はすべて観ていているそうで、動画内でも大変な情熱でその愛を語っています。しかし今回の【竜とそばかすの姫】はなんと酷評でぼろくそに語っていたのがネットニュースで話題となっていました。
私も視聴しましたが、忖度なしのご意見はネット上で見られる評価をそのまま物語っている内容でした!
江頭さんの言い分としては
①虐待親父のところに女子高生一人で行かせるなんてありえない!
②虐待シーンがちゃんと描かれていない!
③助けに来た鈴が来たの恵たちはなんでわかったの?
④しのぶ君はなんで急にベルが鈴だってわかったの?
ネット上でも大体の方が、些少の違いはあれど同じようなことを言っていました。
まとめますと、ストーリー後半にかけて物語が動き出してから、整合性に欠ける急展開が肝心なところで見られ、観る人の頭の中に「どうしてそうなった?」という疑問が残りどうしてもぬぐえない感があります。
しかし、作中で鈴の親友ヒロちゃんのセリフではこんなことを言っています。エガちゃんねる動画内でも、「好きなところ」として語っていました。
肯定しかされない奴なんてコアなファンだけの証拠
嘘のない賛否両論が本物を鍛え上げるんだよ
竜とそばかすの姫:ヒロちゃんのセリフより
芸風がちょっと(かなり)マイナー路線な江頭2:50だからこそ、共感できたセリフですね。
細田監督自身の考え方がにじみ出ているセリフではないでしょうか。
竜とそばかすの姫の評判まとめ
たくさんの方が観れば、それだけ様々な感想があるのは当然です。自分の意見を押し付けるだけでなくシェアできると、作品をまた違った視点からとらえることができて楽しいですよね。
たくさんの賛否両論があふれるからこそ、良い作品なんですね。
個人的感想です。私は前知識なしで観に行ったのですが、6歳の子を持つ母親として他人事ではなく、残された子供のことを考えると感情移入しすぎてかなりしんどくなりました。
内容的に、片親が事故で亡くなっていたり、虐待があったりするので、子育て世代や同様のトラウマがもしあるような方だったら、観るのに少し強い気持ちが必要かもしれませんので、ご注意ください。
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